【合同会社K plus 創世記】 Vol.11 ~2000年の眠りを経て花を咲かせた古代蓮の如く~ 岩手県一関平泉地域篇 PART 1
「大陸から遥か150 マイル離れた所に大きな島がある。それは、どこの国にも従属していない独立国家であり、色白で美しく、礼節を重んじる人々が住む島である。その名はジパング。ジパングは、莫大な量の黄金を持つ国で、その国の王が居住する大きな家には金が貼り巡らされている。全ての部屋の壁面、窓、天井に貼られた黄金は、指2 本程もの厚さがある。黄金の他にも、真珠や貴重な岩石など、ジパングの持つ資源の価値は計り知れない。」(古イタリア語版『Il Milione』より抜粋・翻訳は筆者による)
これは、マルコ・ポーロがアジア諸国で見聞したことを編纂した旅行記『東方見聞録』(1298年)の中で、日本について記した一節であることは、説明するまでもないかもしれません。
が、実際には、マルコ・ポーロは日本を訪れていなかったってご存じでしたか?
恥ずかしながら私は知りませんでした・・・。
今風に言えば、FAKE NEWSを鵜呑みにして発信してしまい炎上?!
いやいや、炎上はしていませんが、700年以上の月日が経過した令和の時代においてもこの一説が語り継がれていることは、鬼籍に入ったマルコ ― あるいは、もはや転生を遂げているかもしれないマルコですら、想像だにしなかったことでしょう。
宮崎正勝氏著『ジパング伝説』によると、平泉の中尊寺が7000余巻の宋版『一切経』を輸入するために、10万5000両(4410キログラム)もの砂金を支払ったという記録(=事実)が残っているとのこと。このことから、日本が「黄金を持つ豊かな国」という噂が中国から世界に広まり、こうした記述が生まれた可能性があると考えられているそうです。
そんな中尊寺がある岩手県に、我々は2017年8月に経済産業省関東経済産業局の「ホテルコンシェルジュによる地域の魅力発見・発信事業」にて訪問させて頂きました。
今日から何回かにわたり、岩手県平泉地域・一関地域をご紹介いたします。
<Vol.2につづく>