【合同会社K plus 創世記】 Vol.8 ~萬法、伊豆に帰す~ 静岡県伊豆半島篇 PART 1

投稿者: K plus llc. 投稿日:

2年目を迎えた経済産業省関東経済産業局の「ホテル・コンシェルジュによる地域の魅力発見・発信事業」には、伊豆半島の南伊豆と西伊豆に行かせていただきました。

タイトルの「萬法、伊豆に帰す」は、西伊豆の松崎町にある臨済宗の寺、萬法山 帰一寺の名前の由縁となった「萬法一に帰す」という禅語を少しもじらせていただいた造語です。思文閣出版『禅語辞典』によれば、「森羅万象は一つの根源的な原理に立ち返る」という意味であり、つまりは、「全ての物は一から生じ、また一つに繋がり関わり合って存在している」という教えであるそうです。

ところで、ドン・ガバチョが活躍する1960年代のNHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」をご存じですか?この物語は、火山の大爆発でひょうたん島が本土から切り離されて大海を漂流するというものなんです。ある一定の年齢以上の人にしか通じないかもしれませんが、あえて言えば、「ひょうたん島」のように、火山活動によって南の海から移動し、ついには日本に衝突した島こそが伊豆半島なのです。

image with high-resolution data from Space Shuttle., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39989

今からおよそ2000万年前、世界で最も標高の高いヒマラヤ山脈や世界最長のアンデス山脈などが形成され、世界初の湖であるバイカル湖ができた頃、伊豆半島は本州から南へおよそ1500キロ離れた場所の深い海に沈む海底火山群でした。その海底火山群は爆発を繰り返し、噴出した火砕岩が降り積もることにより火山島へ。やがてその火山島はフィリピン海プレートの移動とともにゆっくりと北へ移動し、ゲッターロボのごとく、トランスフォーマーのごとく、本州に合体し、半島という日本のパーツになったのがおよそ60万年前。

恐竜が絶滅したのが6500万年前であることを考えれば、つい最近の出来事のような…。

西伊豆 堂ヶ島の端

伊豆半島は火山活動によって生まれ、その火山活動が起きた時代や場所によって変わる風景も、全てが繋がり合って伊豆半島を作り上げているのです。火山活動といえば地震と深い関係があり、そこに住む人々に多大な損害を与える、言うなれば荒ぶる神のような存在。

最近、大きな地震や自然災害が多く心配は尽きませんが、考えてみれば、日本列島は火山活動やプレートの移動によって作られた土地であり、日本全国が同じような危険性を孕んでいます。

しかし、火山は地震をもたらすのと同時に、温泉や美しい自然の風景ももたらしてくれているのも事実。日本が有する自然の美しさは、火山活動の賜物であるとも言えるのかもしれません。

伊豆半島を巡れば、そんな日本の美の原型を存分に五感で感じる機会を得られるかと思います。

「萬法、伊豆に帰す」

<Vol.9へ続く>